第24章

たった一言で、コーヒーをこぼした件を個人的な怨恨へとすり替えた。彼女は明らかに周防侑子を敵対視している、という構図だ。

さらには競争相手を蹴落とそうとしているとまで匂わせる。浅川さんが初日に釘を刺した通り、この会社では悪質な足の引っ張り合いは最も忌み嫌われる。

つまり彼女は、渡辺光一の手で周防緋音をクビにさせようと画策しているのだ。

「泣くな。俺がいる」

白川和夜は氷のような冷ややかな視線を緋音に向けた。それは品定めするようでもあり、あの一夜の出来事を持ち出して彼女の神経を逆撫でし、密かに張り合っているようでもあった。

何しろ彼の一存で、彼女などいつでも追い出せるのだから。

これ...

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