第33章

「白川社長……あの科学界を震撼させた、白川和夜のことか?」

「白川社長が目をつけた案件だ。きっと巨大なポテンシャルを秘めているに違いない。このプロジェクト、GOサインを出していいんじゃないか」

「私も賛成だ」

「……」

幾重もの審査を経て、企画部はついにそのプロジェクトの立ち上げを承認した。

周防侑子は大喜びで、その吉報をデザイン部部長である辻本十流に伝えに行った。

「却下だ」

辻本十流は数ページめくっただけで、その企画書が穴だらけであることを見抜いた。

人工知能AIの技術が成熟しきっているこの時代に、あえて古臭く、独創性のかけらもない未熟なAIを開発するなど狂気の沙汰だ。市...

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