第34章

道中、二人は途切れることなく言葉を交わしていた。未公開株や投資銀行業務といった金融関連の深い議論が展開され、周防緋音にとっても学びの多い時間となった。

相手は金融管理の専攻からアナリストに転身したばかりだという。弱冠二十歳にして鋭敏なビジネスセンスを持ち合わせており、それゆえに渡辺光一の目に留まり、特命でアルファプロジェクトのリスク評価を依頼されたのだ。

だが意外なことに、彼女はアルファプロジェクトを高く評価し、強力に推奨していた。提示されたリスク評価報告書を緋音が覗き込むと、そこには八十パーセントという高い投資推奨率が記されていた。

周防緋音は金融の専門知識には疎いが、研究開発プロジ...

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