第49章

彼女の視線は粘りつくように白川和夜に向けられたままだったが、遠慮する素振りもなく言葉を続けた。

「これ、私の連絡先です。あと岩井グループのパンフレットも。何かあればいつでもお電話ください」

「ええ、問題ありません」

「後藤さんとは事前にお話しさせていただいています。岩井グループのこのプロジェクトは今まさに勢いがありますから、きっと末長く良い協力関係を築けるはずです」

「……」

相手に褒めそやされ、周防緋音は照れくさそうに俯いた。

その時、牛尾が息を切らして奥から駆け寄ってきた。

周防緋音は彼が目配せしているのに気づき、仕方なく後藤延司に別れを告げることにした。

「すみません、...

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