第4章
美空視点
浩介が家族の元に戻ってきてから、私たちの生活は少しずつ平穏な日常へと落ち着いていった。家族と接する時、まだどこか丁寧で壁があるように感じられたけれど、私にとっては二人の弟ができたことが、信じられないくらい嬉しかった。
でも、それ以上に私を驚かせたのは、浩介が示した知性だった。
『この子、とんでもなく頭がいい。』
先週、私は浩介に付き添って青川海洋研究所へ行った。ハイテク機器が並ぶ近代的な研究室に足を踏み入れると、浩介の目は畏敬と興奮で輝いていた。
「すごいな、ここの設備は本当に最先端だ」浩介は顕微鏡や水質分析装置にそっと触れながら言った。
「試してみるかい...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
縮小
拡大
