第8章

美空視点

青川ビーチにたどり着いた私が目にしたのは、衝撃的な光景だった。

巨大な波が次々と岸辺に叩きつけ、普段は駐車場であるはずの場所まで海水が溢れかえっている。唸りを上げる風が砂と水飛沫を巻き上げ、目を開けていることさえ困難だった。

私は嵐の中を、必死に大悟を探して進んだ。

「大悟! 大悟!」と叫んだけれど、私の声は風の音に完全にかき消されてしまう。

やがて、ぐらぐらと揺れる監視塔にいる彼を見つけた。

「姉ちゃん!?」大悟は驚きと心配の入り混じった顔で私を見た。「正気かよ!? ここは危険すぎる! 早く逃げろ!」

「あなたを連れ戻しに来たのよ!」私は彼の手を掴み...

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