第6章
葵視点
手術は翌朝七時に予定されていた。
私は一睡もせず、湊司のベッドのそばに座って、彼を見守っていた。明日になれば、私は彼を永遠に失ってしまうかもしれない。せっかく見つけ出した颯真のお父さんが、再び私たちの元から、永遠に去ってしまうかもしれないのだ。
「葵」湊司が囁いた。「少しは休んだ方がいい」
「眠れないの」私はため息をついた。「湊司、本当にそれでいいの? 先生は、生存率はたったの三〇パーセントだって……」
「覚悟はできている」湊司の声は固かった。「颯真を救わなければ、自分自身を一生許せないだろう」
『数日前に会ったばかりの息子のために、命を懸けるつもりなんだ』
「湊司...
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