第8章

今回の危機を巧みに乗り越えたものの、私は悟った——感情的な支配だけでは不十分だと。魔族の長老たちは、いつまた魔王を唆すか分からない。私に必要なのは、もっと強固で、もっと揺るぎない束縛。

「保険が必要ね」

ある日の午後、魔王が書斎で政務を執っている間に、私はわざと彼の個人蔵書の間を『ぶらぶら』していた。

これら古の魔族の典籍の中には、必ずや私が必要とするものがあるはず。

案の定、分厚い『古代魔法契約大全』という本の中に、完璧な答えを見つけ出した。

「魂の共鳴契約」

契約の内容を注意深く読み進めるうち、胸の高鳴りが抑えきれなくなる。この契約は二人の魂を永遠に結びつけるだけで...

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