第114章すべてはアストリッドに与えられた

モントゴメリー・グループ社長室の前。

険しい顔をした人物が足早に近づいてきた。社長室のドアの前まで来ると、その人物は歩みを緩め、三度ノックをした。

「入れ」中からサイラスの冷たく低い声が響いた。

「モントゴメリー社長」モントゴメリー・グループのジュエリーブランド責任者であるマーティンは、返事を聞くや否やドアを押し開け、大股で中に入った。

サイラスはデスクの後ろで書類に目を通しており、その傍らに控えていたジェフリーは、驚いたように来客へ視線を向けた。

「何事だ、そんなに慌てて」サイラスはファイルから顔を上げ、サインを終えた企画書を脇に置いた。

ジェフリーがその書類を受け取り、片付ける...

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