第121話あなたは私と別れたいですか、それとも私と結婚したいですか

無意識のうちに、アストリッドはスマートフォンを握る手にぐっと力を込めていた。

お見合いに行くことを考えると、なぜかサイラスの顔ばかりが脳裏に浮かんでくる。

生みの親ではあるが、決して育ててはくれなかった父アーサーは、キャサリンやイザベラから何らかの吹き込みを受けたのか、今や彼女の存在を微塵も許容できなくなっていた。

「他には?」アストリッドは冷ややかに尋ねた。

「近々お見合いのイベントがある。すでにお前の名前で申し込んでおいたからな。遅れずに必ず行くんだぞ!」アーサーは苛立たしげに念を押した。「でなければ、今度こそ後悔させてやるからな」

アーサーは怒りに任せて電話を切った。

アスト...

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