第127話アストリッドを私に返して

話しているうちに、アストリッドは手を伸ばしてサイラスのまつ毛に触れようとした。だが、手が動いたその瞬間、サイラスが不意に目を開けた。

「俺の話か?」

サイラスの視線とぶつかり、アストリッドは咄嗟に寝返りを打って目を閉じた。今のが気のせいだと思ってくれることを祈りながら。

隣の体が動く気配を感じ、彼も寝返りを打ったのだと思った次の瞬間、突然、彼女の上にサイラスの体温が覆いかぶさってきた。

慌てて目を開けると、サイラスの柔らかい唇がすでに彼女の唇を塞いでいた。

アストリッドの口から無意識に漏れた艶めかしい声がサイラスの舌を誘い込み、瞬く間に主導権を奪われてしまう。

サイラスは彼女の手を...

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