第142話:プレストン

正確に言えば、彼女はずっと前に真実を突き止めていたのだが、当時はプレスコット家の他の人間たちに誤魔化され、まだ何も分かっていないと思い込まされていたのだ。

最近になってようやく、めったに帰ることのないプレスコット邸で過ごす休日を利用し、当時の出来事をすべて振り返ってみて、初めて自分が見落としていたものに気がついたのである。

関係者全員に慎重に探りを入れた結果、ガースが毒を盛られた当日、彼が会っていたのは執事のプレストン・ウォードただ一人だったことが判明した。

プレストンは長年ガースに仕えてきた。プレスコット家に古くからいる使用人であり、常に細心の注意を払ってガースの世話を焼いていた。仕事...

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