第159話ガースは死んだ

洗面を済ませてから、アストリッドはベッドに横になった。隣のスペースは空っぽだった。サイラスは残業でまだ帰っていなかったのだ。

ベッドの中で何度も寝返りを打った。永遠とも思える時間が過ぎた後、漠然とした不安が胸に忍び寄り、彼女はプレスコット邸へ戻ることにした。

ガースの眠る時間は日に日に長くなっていた。医師によれば、毒素の大半は中和されたものの、一部はすでに全身を蝕んでいるという。どんな薬を使っても、体内に残った毒素を完全に排除することは不可能だった。

ガースは高齢であり、若者のように新陳代謝が活発ではない。毒素が体内に留まる期間が一日延びるごとに、彼は死へと一歩ずつ近づいていた。

アス...

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