第174章投獄されたアストリッド

サイラスが帰宅すると、アストリッドの姿はどこにもなかった――リビングにも、寝室にも、外の庭にも。彼女が帰っているかと使用人たちに尋ねると、ずっと書斎にこもったまま出てきていないはずだという答えが返ってきた。

胸騒ぎを覚え、サイラスは急ぎ足で書斎へと向かった。

彼女は本棚の傍らに立ち、手にしたものを食い入るように見つめていた。

「アストリッド、説明させてくれ」サイラスは切羽詰まった声で言い、大股で彼女に歩み寄った。

アストリッドはゆっくりと振り返った。その穏やかな瞳にみるみる冷たい光が宿り、無表情のまま彼を見据えた。

「何を説明するの?あなたがどうやって私を騙してきたのかを?」サイラス...

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