第38章シャープエッジ

アストリッドは立ち止まり、眉をひそめてアーサーを見つめた。

彼は怒りに顔を赤くして、彼女を睨みつけていた。

母親が死んだ時、アーサーは一日たりとも悲しむことはなかった。

アストリッドの二十六年の人生において、彼が微塵でも愛情を示してくれたことなど一度もなかった。

それなのに今、キャサリンのためとなると、彼は我を忘れて心を痛めているのだ。

『ゴールデン・タッチ』に関する情報は何も得られず、これ以上の無用なトラブルを避けるために彼女は立ち去ろうとしていた。

しかし、彼らの考えは明らかに違っていた。

アーサーの言葉を聞いて、アストリッドはさっと目を逸らし、キッチンへと向かった。

家政...

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