第47章鉱物標本

個室に戻ったオリバーは、まるで道を見失ったかのように呆然としていた。

片手で自身の唇をなぞりながら、思考を激しく空回りさせる。

頭の中を占めているのは、アストリッドの優美なシルエットと、あのミステリアスな仮面の奥に隠された素顔のことばかりだった。

彼女は、抗いがたいほどの魅力に溢れていた。

原始的な欲望が全身を駆け巡り、どうしても抑え込むことができない。

アストリッドの個室にいたあの男がただ者ではないと、彼の直感が告げていた。

あの特別な空間で、アストリッドが他の男と二人きりでいるかもしれない――そう考えただけで、まるで全身を無数の虫が這い回っているかのように鳥肌が立った。

自分...

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