第48章買収

個室では、威厳に満ちたサイラスが座ったままアストリッドの表情の変化を見つめ、その細かな機微を一つ残らず観察していた。

彼がわずかに手を挙げると、誰かがすぐさまその無言の命令を察知し、心得たように頷いた。

鉱物標本がワゴンで運び去られていくと、アストリッドの視線はそれを熱心に追いかけ、隣の個室へと消えるまで見届けていた。

その時になってようやく、彼女は名残惜しそうに視線を外した。

『なんて惜しいことを』と、彼女は心の中で呟いた。

瞳に落胆の色を宿しながらも、アストリッドは落ち着いた態度を崩さず、優雅に席に座っていた。

「気に入ったのか?」長い間沈黙していたせいか、サイラスの声はわずか...

ログインして続きを読む