第68話祖父の祝福

ガースの誕生日がやってきた。アストリッドは会社に電話をかけ、休みを取った。

たまたま通りかかったイザベラが、その会話を耳にしていた。彼女は満足げな笑みを浮かべて立ち去った。

プレスコット家の屋敷は、活気に満ちていた。

シンプルで控えめな服装で現れたアストリッドは、プレスコット家の宝飾財閥の令嬢とは到底思えない出で立ちだった。

対照的に、早くから到着していたイザベラは女主人のように振る舞い、部屋の隅々にまで気を配って注目を集め、明らかに自分をアストリッドより上の立場に置こうとしていた。

アーサーとキャサリンは、意図してか偶然か、アストリッドの存在に気づかないふりをしながら、他の親族の長...

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