第73章クライシス

アストリッドとカリスタが会話の最中だったとき、ガースの病床の脇にある医療機器が突如として切迫した警告音を連続して発した。

「先生! 早く!」

「皆さん、下がってください! 道を開けて! プレスコットさんの容体が急変しました。直ちに集中治療室へ運びます!」

「急いで、早く!」

アストリッドは壁に背を押し付けたまま、頭の中が真っ白になり、凍りついていた。白衣の影がガースの周りを慌ただしく動き回り、彼を素早く運び去っていくのを、ただ無力に見つめることしかできなかった。手足の感覚は麻痺し、まったく役に立たなかった。

集中治療室のドアが閉まって初めて、アストリッドの恐怖に満ちた視線は扉から逸ら...

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