第4章

 次の瞬間、蒼が凄まじい勢いで振り返った。冷え切った声で、一言一言を叩きつけるように問い質す。

「誰が、やった?」

 幼い顔立ちには、その年齢とはあまりに不釣り合いな暴戻と凶悪さが浮かんでいる。まるで和輝の、あの数多の人間を屠ってきた双眸が、そのままこの四歳の子供に移植されたかのようだ。

 真理奈は顔面蒼白になり、無意識に一歩後ずさる。良雄の足は明らかに震えており、唇をわななかせるばかりで言葉が出てこない。

 蒼はさらに一歩踏み出し、その声は氷点下まで冷え込む。

「もう一度聞くぞ――僕のママを傷つけたのは、誰だ?」

 その時、宴会場の空気が一瞬にして真空になったかのような錯覚に陥...

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