第101章 莉緒を探しに行く

医師は言っていた。そろそろ、この頃だと。

 浅野莉緒は驚きと喜びに胸を満たし、息を殺して、指一本動かせずにいた。

 数秒後――また、こつんと。

 今度は、はっきりわかった。

 赤ちゃんが。お腹の中の子が、彼女に挨拶をしたのだ。

 涙が一瞬で目尻に滲んだのに、浅野莉緒は口元をゆるめて笑っていた。

「……赤ちゃん……」

 嗚咽を噛み殺しながら、いとおしそうに何度も何度も下腹を撫でる。

「ママに教えてくれてるの? 元気だよって。ママと同じで、新しい暮らしが楽しみだよって……」

 ……

 吉野結人は、意識の底なし沼でもがき続け、ようやく、はっと目を覚ました。

 瞼を開いた瞬間、...

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