第12章 自分のことをちゃんと大事にしてね

 早川渚は莉緒をひとりで帰らせるのがどうにも心配で、誰かに送ってもらおうかと悩んでいたところだった。そこへその話が出るなり、彼女は慌てて莉緒の背中を軽く押し、ぐいっと前へ促す。

「先輩が送ってくれるって言うなら、遠慮しないで! 私、これから病院戻らなきゃで、主任にずっと急かされてるの。先輩が送ってくれるなら、もう百人力! 先輩って一番頼れるもん!」

 川崎綾人は穏やかに笑い、莉緒へ視線を向けた。

「ちょうど健診も終わって、俺も予定ないんだ。どこまで行けばいい? 送るよ」

 莉緒は、早川渚がこちらに向けて「行け行け」とでも言いたげに目配せしてくるのを見て、口元まで出かかった断り文句を飲...

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