第120章 彼はずっと陰で人を遣って君を守っていた

「綾人! 川崎綾人!」

 浅野莉緒はサイレンを唸らせて走り去る救急車を追い、数歩駆けたところで足を取られ、よろけて転びかけた。

 イヴァが即座に腕を伸ばし、彼女の体をがっちり支えて引き留める。

「浅野さん! 追わないでください! 先に車に乗りましょう、私が病院へお送りします! 浅野さんだって怪我をしてるし、お腹の赤ちゃんも診てもらわないと!」

 イヴァの声は切迫していた。

「川崎さんが目を覚まして、浅野さんがご自分を顧みなかったって知ったら……もっと心配します!」

 浅野莉緒は半分抱えられるようにしながらも、目だけは遠ざかっていくテールランプを必死に追っていた。

 赤と青の点滅...

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