第14章 他の誰にも触れさせない

 莉緒はびくりと身を震わせ、はっと顔を上げた。視界に飛び込んできたのは、男の長い脚――その上の引き締まった腰、広い肩。

 そして、吉野結人の顔。冷えきった無表情の奥で、抑えきれない苛立ちが赤く燻っている。

 どうして、ここに――?!

 鍵は? どこから――?!

 恐怖が引く前に、大きな手が伸びてきた。バンッと鈍い音を立て、莉緒の背後のドアが乱暴に閉められる。同時に、冷たいドア板へ叩きつけるように押しつけられた。

「な、なんでここに……!」

 耳元で落ちる声は、氷みたいに冷たい。それなのに熱を孕んでいた。

「さっき送ってきた男――誰だ」

「放して!」

 心臓が暴れ、息が上ずる...

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