第19章 これはまさに焼け火箸だ

 莉緒は全身が一瞬で冷えきり、抑えきれないほど激しく震えだした。

 ――この人は、本当にここまで残酷なんだ。

 自分の血を分けた子にすら、情けの欠片もない。

 よかった……隠し通せて、よかった。彼はまだ、この子の存在を知らない。

 もし知っていたら――想像するだけで、喉の奥がひりついた。

 莉緒の瞳に隠しようもない怯えが浮かんだのを見て、吉野結人はようやく満足したのか、彼女の手首を放した。

 さっきは腹の底が煮え返って、つい口が滑った。自分でも毒が強すぎたとは思う。

 だが、怖がらせておくのも悪くない。これで二度と母さんの前で余計なことを吹き込まないだろう。

「やっと怖さがわ...

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