第247章 お前は本当に立派だ

 彼は何度も何度も、彼女の名を呼んだ。喉が擦り切れて声が枯れても、呼ぶたびに――それは声にならない誓いみたいだった。

 浅野莉緒は彼をきつく抱きしめ、熱を帯びたまま、その呼びかけの一つひとつに応えた。彼の動きのすべてに、身体ごと返した。

 そして、こらえきれずに目尻から涙がすべり落ちる。

 彼は彼女に自分を刻みつけたかったのだ。こうして告げている。必ず戻る、と。

 窓の外で、夜が少しずつほどけていく。空の端に、最初の淡い白が滲んだ。

 川崎綾人は力尽きたように彼女の隣へ倒れ込んだ。汗で濡れた前髪が乱れて額に貼りついている。

 浅野莉緒も同じだった。全身がだるく、指先ひとつ動かすの...

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