第41章 死地からの生還

「吉野結人。あのときあなたを助けたこと、今さらながら心の底から後悔してるわ。もし今日ここで、こんなふうに大勢の前に立たされて、全身の傷を晒すのがあなただったら――そのとき、あなたはどうするのかしら」

 そう言うと、莉緒は安藤里穂が支えていた手をそっと外し、一歩前へ出た。脇を通りかかった給仕のトレイから、なみなみと注がれたシャンパンを一杯取り上げる。そして、ためらいなく手首を返した。

 ばしゃっ――

 ほとんど一杯分のシャンパンが、一滴残らず吉野結人の全身に降りかかった。

 宴会場が、しんと凍りつく。

 莉緒は空になったグラスを戻し、給仕が差し出したナプキンを受け取ると、酒の飛沫がか...

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