第45章 三ヶ月後、私はここを去る

 莉緒は病院を出ると、そのままタクシーを拾い、川崎綾人のアトリエへ向かった。

 扉を押して入ると、ちょうど川崎綾人が助手と何やら打ち合わせをしていた。莉緒の姿を認めた瞬間、彼の目がぱっと輝き、弾む足取りで駆け寄ってくる。

「莉緒! ちょうどいいところに来た!」

 隠しようもない興奮を顔いっぱいに滲ませ、手にした書類をひらひらと振った。

「ほら! 安藤夫人のところから、正式な協業の招待状が届いた! データも紙も、両方そろってる!」

 莉緒の胸が、どくんと跳ねる。

 ――こんなに早いの?

 安藤里穂が本当にこの話を重く受け止め、しかもここまでの速度で動くとは思っていなかった。

 ...

ログインして続きを読む