第57章 君に小さな贈り物をあげた

「昔の情けで……お願い、見逃して。私、すぐに――」

 リンダが手を伸ばしかけた、その前に。

 アンドリューは、ふっと半歩だけ後ろへ退いた。

 そしてもう一度しゃがみ込み、涙の筋でぐしゃぐしゃになった小林莉那の頬を、慈しむようになぞる。

「どうして見逃さないわけがある? ハニー」

 喉の奥で囁く声は、甘いのに冷たい。

「君は、俺の生涯の最愛なんだから」

 その“やさしさ”がかえって不気味で、小林莉那の震えはひどくなる。

「あ、そうだ」

 思い出したように、アンドリューは手を引いた。

「プレゼントをやった。今朝、手下に電話させてね。吉野夫人が流産したこと、それに今後は妊娠が難...

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