第63章 扉を開けてください

 莉緒の胸がきゅっと締めつけられ、慌ててバッグからスマホを取り出した。

 画面が点く。案の定、不在着信の通知がびっしりだ。すべて吉野結人の番号。

 昨夜の八時、九時あたりから、ついさっきまで――途切れず続いている。

 指先が氷みたいに冷たくなる。嫌な予感が、背筋を這い上がった。

 吉野結人が小林莉那を探している最中に、理由もなくこんな執拗に自分へ電話をかけてくるはずがない。

 何かあったに決まっている。

 莉緒は息を整え、スマホを握ったまま足早にベランダへ出た。背後のドアを閉める。

 深く吸ってから、折り返した。

 呼び出し音は、ほとんど一回鳴っただけで切れる。

『どこにい...

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