第8章 彼女の寝室に入る

 幸い、子供は無事だった。首の傷も表面を擦った程度で済み、莉緒は早川渚に連れられて彼女のマンションへ戻った。

 深夜になっても、莉緒にはまるで眠気が来ない。

 スマホを握ったまま、当てもなくタイムラインを流していると、画面の上部に「知り合いかもしれません」という通知がすっと浮かび上がった。

 ――嫌な予感。

 なのに、指が勝手に触れてしまう。

 アイコンは小林莉那。

 最新の投稿は1時間前。文章はなし。写真が一枚だけ。

 夜の寝室のベランダ。窓辺には飲みかけの赤ワインが置かれていて、その隣に男の手が半分だけ写り込んでいる。手首には高級腕時計。

 吉野結人の時計だ。

 結人は...

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