第96章 彼はずっと前から君のことが好きだった

 浅野莉緒の頬が、ぱっと朱に染まった。

 羞恥と苛立ちが入り混じった目で彼女をにらみつける。

「里穂姉さん! なに言ってるの! 適当なこと言わないで!」

「どこが適当なの?」

 安藤里穂は、莉緒の反応が大きいほど面白くなったのか、意地悪く笑みを深めた。

 ソファにどさっと身を沈め、脚を組んで、余裕たっぷりに眺める。

「先生がね、本人から直接聞いたの。嘘なわけないでしょ。男同士で酔ってたら、余計に本音が出るものよ。それに、なにが恥ずかしいの? うちの川崎デザイナーが身持ちが堅くて、素行もいいって証拠じゃない。女なら誰だって憧れるタイプってこと」

 浅野莉緒はその強引な理屈に言い返...

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