第97章 自分の価値を否定するな

早川渚が、浅野莉緒に自ら診断を下した。

 この子は――産まなければ、もう二度と授かれない可能性が高い。

「だから、この子は神様がくれた贈り物なの」

 浅野莉緒は、そう言って微笑んだ。

「母が積んだ徳が、私に“家族”を返してくれたんだと思う。……この子だけは、諦められない」

 安藤里穂は、話を聞いているうちにすっかり涙が止まらなくなっていた。

 ぎゅっと浅野莉緒を抱きしめる。

「莉緒……どうしてそんなに、ひとりで抱え込むの。こういうことこそ……吉野結人に言わなきゃだめじゃない」

「言う必要、ないよ」

 浅野莉緒は首を横に振った。

 前は、そんな発想すらなかった。けれど小林莉...

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