第12章 彼は私のために庇ってくれているのか

平山亜美の視点

考えがまとまらないまま、彼は青に変わった信号へ視線を戻し、エンジンをかけた。

「俺は、俺がやるべきだと思ったことをしただけだ。君は負担に感じなくていい、平山」

「……ありがとうございます」

小さくそう返す。

車内はまた沈黙に沈んだ。

宮下駿介は前を見据えてハンドルを握り、私は窓の外をぼんやり眺める。膝の痛みと、胸の奥に溜まった悔しさが絡み合って、息を吸うたび心が重くなった。

「陽と……」

不意に彼が口を開き、静けさがほどける。

「最近、連絡は取っているのか」

身体がびくりと固まり、指先が無意識にきゅっと丸まった。

「……いいえ」

嘘はつけなくて、首を横...

ログインして続きを読む