第160章 お嬢様、どうかお慈悲を

平山亜美の視点:

  私と安村碧は、そろってぎょっとした。

  「どうしたの?」

  振り向いて声をかけると、彼女はスマホを私の目の前へ差し出してくる。

  画面に映っていたのは一枚の写真。

  澄みきった深い青の海、真っ白なビーチ。遠くには赤と白の灯台が岩礁の上に立ち、空は夕焼けに染まって淡い紫のヴェールをかけたみたいだった。絵画めいて、本物とは思えないほど綺麗。

  「ここ、どこ?」

  思わず身を乗り出す。

  「ネットでフロリダの穴場スポット探してたら見つけたの。キーウエストから遠くない町なんだって」

  彼女の目は、新大陸を発見したみたいにきらきらしていた。

 ...

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