第17章 今夜はここに残る

平山亜美の視点

 私はきょとんとして、すぐに意味を悟った。

 たしかに、そんなことは大事じゃない。

 大事なのは――私が困っているとき、彼が来てくれたこと。そして、私に恥をかかせないやり方で、その場から連れ出してくれたことだ。

 今までだって、ずっとそうだった。

 そう気づいた瞬間、心臓がひとつ跳ねて、次の瞬間には自分でも抑えられないくらい速く脈打ち始める。

 頬がほんのり熱い。ごまかすように、私は窓の外へ顔を向けた。

 「その……」

 何か言って、この落ち着かない沈黙を壊したかった。けれど、何を言えばいいのか分からない。

 「そうだ」

 不意に宮下駿介が口を開いた。

...

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