第20章 誰にも私を裁けない

平山亜美の視点

  宮下駿介。

  いつからそこにいたのだろう。彼はホール脇の扉の影に立ち、背筋をすっと伸ばしていた。

  こちらを見ている。いつもは深くて静かなその瞳に、ステージの照明がくっきりと映り、光の下にいる私自身も映っていた。

  距離はあるのに、その一瞬だけははっきり分かった。驚きと、賞賛と――言葉にできない、澄んだ光。

  心臓が、また跳ね上がる。

  ステージを降りて控室の椅子に腰を落とし、ようやく息をつこうとした瞬間、目の前に影が差した。

  顔を上げる。逆光の中、宮下駿介がシャンパンカラーのバラの花束を手にしていて、そっと差し出してきた。

  「おめでとう...

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