第23章 自ら口づけする

宮下駿介の視点

 心臓が胸の内で、どくどくと狂ったように脈打っていた。緊張のせいで、指先がじんと痺れる。

 彼女の唇は熱を持って乾いていた。俺は一度目を閉じ、舌先でそっと彼女の歯列をこじ開ける。含んだ薬を、少しでも無理なく飲ませようとして――

 その瞬間だった。

 固く閉じられていたはずの瞼が、なんの前触れもなく、ふいに開いた。

 全身がびくりと強張る。頭の中が真っ白になった。

 起きた……!?

 見られたのか、俺が何をしてるのか……!?

 今すぐ飛びのいて、説明して、謝って、そのまま逃げ出したい。ほんの一瞬、本気でそう思った。

 けれど次の瞬間、その瞳に焦点が合っていない...

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