第44章 夢のようなひととき

平山亜美の視点

 宮下駿介は、まさかいきなり誰かが入ってくるなんて思ってもいなかったのだろう。物音に反応して、ほとんど反射的にこちらを振り向いた。しかも、勢いよく。

 そのせいで――私が一度も見たことがなく、しかも絶対にこんな状況で目にしてはいけないはずの、男の人のあまりにも衝撃的な……輪郭が、真正面から不意打ちのように飛び込んできた。

 一瞬で、全身の血がぶわっと頭に上った気がした。次の瞬間には、それがそのまま鼻にまで突っ込んできたみたいに熱くなる。

 視界がぐらりと暗くなったかと思えば、鼻の奥がかっと熱を持った。

 え……私、鼻血出てる?!

 ただでさえ停止していた脳みそが、...

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