第48章 中尾理沙から離れていろ

平山亜美の視点:

 宮下駿介の目が、ふいに刃物みたいに研ぎ澄まされた。視線が肌を削る。そんな錯覚さえするほど、私に突き刺さってくる。

 見られているだけなのに、居心地が悪くて、思わず自分の服を上から下まで確かめた。

 ……なんで、そんなに顔色が悪いの?

 私が中尾理沙と一緒にいるのを見たから? それとも、この格好が気に入らない?

 あるいは――朝の、あの夢のせい……?

 理由なんて分からないのに、胸の奥がざわざわして、なぜだか後ろめたさまで湧いてくる。

 いっそ、このまま試着室に逃げ込みたい。

 そう思った瞬間だった。

「駿介! こっち!」

 空気の温度が一気に下がったこ...

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