第24章 彼は彼女を助けに来たのではない

金づくで結城家に取り入ろうとしているだけだと――永司はそう思っていた。

だが、まさかここまで腹の底が黒いとは。

爺様の命さえ、駆け引きのチップにするなんて。

ほどなくして診察室の扉が開いた。

相馬万珠がストレッチャーで運ばれてくる。目元はまだ赤い。けれど、表情はさっきよりずっと落ち着いていた。

彼女は永司の手を握り、気遣うように言った。

「永司さん。先生が、赤ちゃんはひとまず大丈夫だって……ただ、切迫流産の兆候があるから入院して安静に、って。先に結城のお爺さんのところへ行ってください。爺様のほうが大事です」

自分だって怖いはずなのに、真っ先に彼の家族を思いやる。

永司は万珠を...

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