第44章 あの女に問いただす

そのときだった。マンションのエントランス扉が、内側から押し開けられた。

望月朝夜が戻ってきたのだ。手には、林田修が彼女の車に置き忘れたスマホ。

「修、携帯……」

だが、玄関先で睨み合う二人の男を目にした瞬間、言葉が喉の奥で途切れた。

息が、苦しい。

朝夜はスマホを掲げたまま、ようやく声を取り戻す。林田修へ差し出しながらも、肌を焼くような二本の視線をまともに受け止めないよう、目を逸らした。

林田修がそれを受け取る。指先が、ほんの偶然に彼女の指へ触れた。

その些細な接触が、結城永司の目には火に油を注ぐ行為にしか映らない。

「望月朝夜」

冷たく、低い声。

「こっちへ来い」

命...

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