第60章 彼女はあまりにも甘かった

望月朝夜の胸の底が、どん、と沈んだ。

電話を切り、震える指でニュースアプリを開く。

検索するまでもない。トップに、太い黒文字で踊っていた——

【結城グループ「元妻」転落。受注のため深夜の接待、乱れた装いに憶測飛び交う】

添えられているのは、角度のいやらしい盗撮写真が数枚。

一枚目は、曽我徳安に手首を掴まれているところ。写真の中の彼女は眉をわずかに寄せ、襟元が少し乱れている。

二枚目は、結城永司の長身の影に包まれているところ。彼がスーツの上着を脱いでいて、その仕草はまるで彼女の肩に掛けようとしているように見える。

最後の一枚は、彼女がひとりで街路樹に手をつき、前かがみになってえず...

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