第15話

「葵?」

梨乃は少し虚ろな目で、顔を赤らめながら気遣うように尋ねた。

「葵、大丈夫?」

「早く、ここから出して」

葵は彼女の手首を掴んで言った。

ジョンはよろけながら立ち上がり、葵の顔色を窺った。

「夏目さん、もしかして薬を盛られたんじゃ……」

「薬?」

梨乃は途端にパニックになった。

「ど、どうしよう? 男の人を呼んだほうがいいの?」

こんな事態に遭遇するのは初めてで、どう対処していいか全く分からない。

「家まで送って……家に薬があるから」

葵は薄れゆく意識の中、梨乃の手をきつく握りしめ、必死に言葉を絞り出した。

梨乃も我に返り、彼女を支えながら急いでその場を離れ...

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