第152章

リビングに再び静寂が戻った。清掃業者が家中の消毒とリネン類の交換を終え、足音を忍ばせて退出していった。

和也は見違えるほど綺麗になったものの、相変わらずがらんとしたヴィラを見渡し、心にぽっかりと穴が空いたような虚無感を覚えた。

立ち上がり、二階のウォークインクローゼットへ向かう。出張の荷造りをするためだ。

ベッドの上にスーツケースを広げ、着替えを数着適当に放り込んだが、その手は次第に遅くなっていった。

頭の中に、葵の顔が勝手に浮かんでくる。

これから浜市へ出張に行く。彼女に一言、知らせるべきだろうか。

そんな考えが頭をよぎった直後、和也は自嘲気味に口角を上げた。

知らせてどうな...

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