第153章

二階へ戻ると、ポケットのスマホが二度震え、匿名で画像付きのメッセージが届いた。

写真はホテルのロビー。黒いスーツ姿の和也がラウンジエリアに立っている。

少し離れたエレベーターホールには、スーツケースを引いた雪菜の姿があった。

『和也さんが浜市へ出張に来て、雪菜もわざわざついてきたみたい。二人で同じ五つ星ホテルに泊まるなんて、いよいよゴールイン間近ね。一足先にお祝い言っとくわ』

葵は画面を三秒ほど見つめ、やがて嘲るように口角を上げた。

指先を滑らせ、そのメッセージをあっさりと削除する。

自分が滑稽に思えた。

和也とは絶対に離婚すると固く決意し、もう二度とあの男とは関わらないと誓っ...

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