第百七十九章

葵が車を停めるや否や、梨乃はドアを押し開けて飛び降りた。

興奮で顔を紅潮させている。

「もう、最高! スリル満点! 葵、あんたすごすぎ! さっきのドリフト、マジで魂抜けるかと思った!」

蓮が笑いながら歩み寄ってくる。

「どうよ? 俺の言った通り、最高の乗り心地だろ? 葵のその腕前、プロのレーサーにならないなんてもったいないぜ」

「悪くないわね」

葵は軽く微笑んだ。

「前に乗ってたのより、ずっと扱いやすい」

燃えるような真紅の車体に視線を向ける。

確かに、惚れ惚れするほど格好いいし、走りのレスポンスも抜群だ。

蓮が数年がかりで待ち続けただけの価値はある。

「だろ!」

蓮...

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