第20話

葵は胸をチクリと刺されたような痛みを覚え、皮肉に満ちた笑みを浮かべた。

和也が自分を『藤原家の妻』として認めていないことなど、とっくに分かっていたはずだ。今さら何を感傷的になっているのだろう。

それでも、その言葉を耳にすると胸が苦しくなる。

彼女は扉を開けることなくきびすを返し、百合子のための茶を淹れに厨房へ向かった。

葵が立ち去った直後、執事がやって来た。

百合子が和也を呼んでいるという。向かう先は母屋だ。

無表情な和也の顔を見て、百合子は立て続けにため息をついた。

「そんなに葵のことが気に入らないのかい?」

和也は眉をひそめ、露骨な拒絶を顔に浮かべた。

それを見て百合子...

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