第22話

蓮は笑みを浮かべて頷き、さらに片方の眉を上げてみせた。

「またお会いできて光栄です」

葵は彼の手にある花束に視線を落としたが、受け取ろうとはしなかった。

蓮がここにいるということは、和也も来ているかもしれない。自分がバイクに乗ることを、彼に知られるわけにはいかなかった。

「申し訳ありませんが、用事がありますのでこれで」

そう言い残し、葵は梨乃の腕を引いてきびすを返した。

蓮はすぐさま彼女の行く手を塞ぎ、すがるような目を向けた。

「あなたがXだってこと、分かってます。ずっと憧れてたんです、一緒に写真を撮ってもらえませんか?」

「ダメです!」

葵は一秒の躊躇もなく拒絶した。

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