第25話

和也の喉仏が上下に動いた。長い沈黙が落ちる。

その様子を見て、雪菜は自嘲するように笑った。

百合子は昔から雪菜を嫌っている。葵が姑息な手を使って和也のベッドに潜り込んだというのに、それでも百合子は葵の肩を持つのだ。

雪菜の瞳に、あっという間に涙が溢れた。

彼女はすがるように訴えかける。

「和也……お母さんはもういないの。私にはもう、身内なんて誰もいない。お母さんに、私のこと面倒見るって約束してくれたじゃない」

和也はしばらく口を開かなかった。彼女を見つめるその漆黒の瞳には、雪菜を不安にさせる深い色が混じっている。

和也の自分に対する気持ちが、明らかに冷めてきているのを感じていた...

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